XRIM-4であります。
某S師匠によりますと、XRIM-4をSAMへと流用する計画が
動き出しそうとのこと。
XRIM-4とは、ご承知のようにAAM-4の艦載版です。概観を
伝える写真等は無いのですが、以前(今日でも)は技本のGMの
ショーケースの中に模型が飾ってありまして、見た目はESSM
(RIM-162)に似ていたことを思い出します。
XRIM-4は技本のGM5室が所掌しておりまして、自分もこの
関連でGM5室に通っていた時期があります。当時はまだ
三宿の時代でしたが、GM5室だけは他のGM1~4室とは
別にプレハブ建屋の中にありました。
その後、海は個艦防空用ミサイルとしてESSMを選定し、
三菱電機によるライセンス国産を実施します。
ESSMはUTDCによる中間アップデート付慣性誘導
で終末誘導はセミアクティブ誘導となりますので、ひゅうが級が
搭載しているFCS-3改へXバンドイルミネータを搭載することに
なったのはご承知のとおりです。
もしXRIM-4が採用されていれば、終末誘導はアクティブレーダ
誘導なので、イルミネータが必要なく、そのため同時対処数も
大きく向上したことでしょう。
海がESSMを採用したことで、XRIM-4はレーゾンデートルを
失い、このままフェードアウトすると思われていました。
ところが、ここにきてこれを陸のSAMとして復活させようという
動きがあるというのです。
陸の中距離ミサイルは三菱電機がMIM-23HAWK、中SAMと
担ってきましたから、無理筋な話ではありません。
丁度、AMRAAM(AIM-120)ベースの
以下のSLAMRAAM(Surface Launched AMRAAM)ような
話ですね。
背景としては、SAM-4は物は良いけどやっぱり高いみたい
な部分があるのでしょうね。SAM-4のレーダーセットと
RIM-4(順当に行けばSAM-5か?)の組み合わせであれば
かなり安くいけるかもしれません。ランチャの車両も
高機動車でいけるでしょうし。もし小型のレーダーセットと
組み合わせば島嶼やレーダーサイトへの急展開も容易です。
問題はミサイルの小型化による最大有効射程の減少と、
弾頭重量の減少によるPK率低下でしょうけど、AAM-4の誘導
精度、及び現在でもAAM-4用エアブリーチングエンジンの
開発が行われていることを考えるとそれほど心配する
ことではないかもしれません。
勿論、SAM-4の特徴である見通し線外への自立目標捜索
能力とかは期待できないかもしれませんが、SAM-4との
High-Loミックスで考えればとても魅力的に写ります。
さて、この話今後どうなるかは予断を許さないところですが
微力ながらXRIM-4をお手伝いしたものとしては、実現する
ことを願ってやみません。
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コメント
RIM-4をそのまま、お蔵入りにさせるのは、もったいないような気もしますから、陸バージョンの開発というのは、いい手かもしれません。RIM-4が実艦に搭載されるのも見てみたかった気もしますが・・・。ところで、海自もいずれは、SM-6ERAMを装備する事になるのでしょうね。さしずめ、イージスDDGとか、5000t型DD以後の護衛艦に搭載されることになるのでしょうか。それはそれで、同時対処能力の向上につながるでしょう。
投稿: 灰色猫 | 2009年7月 1日 (水) 00時27分
海は、開発させといて不明瞭な理由で採用しないことの意味が分かってるのかと問い詰めたくもなりますが。
SM-6にも夢見てしまうんでしょうね。
投稿: | 2009年7月 1日 (水) 02時43分
そういえば、THAADミサイルの導入を検討するようで、もし、導入となれば、SM-3とPAC-3と合わせて、ミサイル防衛は、密となるでしょう。あとは、何処に配備をするかですが・・・。
投稿: 灰色猫 | 2009年7月 6日 (月) 21時55分