ダクテッドロケット飛しょう体であります。
防衛技術ジャーナル7月号を手にとって見ると気になる
ものが写っておりました。
表紙をスキャンして取り込んだものですが
防衛技術協会さん御免なさい
表紙なら良いですよね。。。
これぞ、長年追い求めていたダクテッドロケット飛しょう体
即ち、エアブリーチング型AAM-4です。
贔屓目に見ても、AMRAAMベースのFMRAAMや欧州の
METEORよりもスマートじゃございませんか。
ミサイルの動力が固体モーターからダクテッドロケットの
ようなエアブリーチングエンジンに変わることで何が良い
のかというと、通常ミサイルの固体ロケットモーターは、
燃焼時間がそれほど長くありません。
短SAMで約5.5秒、長射程を誇るPatriotでさえも約10秒
程度しかありません。モーターが燃えている時は、
航空機に比べて推力重量比が遥かに大きいので、
イケイケドンドンで加速し、たとえ相手が高機動を行っても
追尾することが可能です。
しかし、モーターの燃焼が終わっていると後は飛翔している
残りの運動エネルギーを消費していくしかありません。従って、
長距離目標が高い機動を行うと、追尾できない可能性が
でてきます。
エアブリーチングエンジンを搭載したミサイルであれば、
ミサイルが推力を長時間発揮できるため、機動する
長距離目標も追尾できるエリアがぐっと広がります。
所謂、交戦エンベローブの拡大が期待できます。
しかし、ここまでかたちになっているとは驚きました。
もう実射試験までいけそうな感じです。
さてはてこのミサイル、AAM-4改2型となるのか、
それともAAM-6となるのか、楽しみではありますね。
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コメント
昨年度やった発射試験の一コマです。これは。この地上発射試験の他に静置燃焼試験もやってます。
ただし、コイツは所内研究2Aに限りなく近く、あくまでもダクテッドロケットエンジンの基礎特性を得るためのものであって、研究試作、本試作ではプライムがメルコさんになり、実際の試作担当は川崎さん以外のところになります。多分に中距離空対空誘導弾(改II)くらいには実用化されるものと。
とりあえずは目玉の方を主眼にフォローアップが行われ、その後(運用結果と共に)RIM陸上版に引き継がれ、RIM陸上版の運用結果と共にAAM4(改II)になり、、、、と空陸間「だけ」でのスパイラル開発が行われていく事になるでしょう。まぁ、本開発以外にも新生産バッチ変更に伴う小改良は常に出てくるでしょうけど。
投稿: あっさむ。 | 2009年7月 2日 (木) 22時25分
>あっさむさん。
ということはあくまでもダクテッドロケットの所内試験ってことですか。道は長そうですが、XRIM-4陸上版(XSAM-5?)やエアブリーチング型AAM-4へ繋がってくれることを期待します。
投稿: keenedge | 2009年7月 2日 (木) 23時02分
ダクテッドをSAMにってのは、(自分で言っててアレではあるんだけど:D)どうかなあ。という気もしなくはないです。というのは、原理上、低空及び低速状態ではあまり性能(総推力、ピーク推力)が宜しくない傾向にありますし、そもそも加速力≒推力も高いものではなく、そのため目標に回避時間を与えかねないかも?という疑念が無くもなく。
例えばMeteorは燃焼器に仕込まれた、固体推進薬(ノズルレスRM)をもって初期加速を行い、その後ダクテッド用のイグナイタモーターをもってダクテッドRMを作動させることで加速力不足を防いでいる状態です。SAM版になるとAAM版よりも燃焼室を大きく取ることでブーストセクションタイムを増やし、いち早く高空まで駆け上がる必要があるかもしれません。つまりは、大径化(ブーストセクションの長時間化)、増長化(光芒L/D増大による流速の向上=推力の向上)ですね。
ただし、その他の部分については、ダクテッドRMは少なくともRIMにとっては良き伴侶になりそうです。それはひとえにRIMならではのTVCのおかげとも言えます。TVCはサイドスラスターと違い、空力重心より離れた位置、つまりはノズルの位置で推力を偏向するため、ピッチ軸、ヨー軸、ロール軸の3軸の姿勢制御が非常に効果的に行われます。つまり、より短時間でのコリジョンコースへの飛翔軌道収束が可能になります。誘導弾の小型化(≒軽量化)も相まって、中々頼もしいものが出来上がりそうです。
投稿: あっさむ。 | 2009年7月 3日 (金) 23時41分
あんなに中の人が自慢げにしていたダクテッドロケットも、実際の製品化に当たっては他社さんにとられてしまうとですか…
川崎さんかわいそうです…
せめてネ多でオタク心をわしづかみにできると良いなあ。
投稿: | 2009年7月 5日 (日) 15時06分
あっさむ殿は飛翔体屋さんでしたか。
ダクテッドロケットの装備化はまだまだ先ですね。
計画予定では202X年ころでしょうか。
この前やった試験はそこでいったん区切りとし、これから数年は実用化に向けての基礎技術の研究になりますね。
さて、どんな技術が盛り込まれるやら。
飛散物削減のためのノズルレスは盛り込んで欲しいと思います。
投稿: Tivonix | 2009年7月22日 (水) 03時52分