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2010年1月18日 (月)

P-1恐るべしであります。

大変遅くなりましたが、今年も宜しくお願いします

こんな仕事をしていると、これは一体何のプログラムに使う
のだろうということがよくあります。
本日が正にそれでした、EW関連に使うということは分るの
ですが、一体何のプログラムなのか。。。
納入先と受領担当官から類推し、「ああ、あれですね。」
と尋ねると、「よくご存知で。」というお答え。
こんな時は気分が良いです。
下は意味が分かる人向け。。。。技術・実用試験は
20年度で完了予定だそうな。

C
イラスト提供=M/Y/D/S動物のイラスト集。転載不可。    



ところで、P-1のことを調べていたら、P-1に搭載されている
東芝製4面アクティブフェイズドアレイレーダーのHPS-106は
対空モードを持つとのこと。
この能力は、この機体の戦略的な意義を垣間見せます。

哨戒機というものは、自国のエアカバーのギリギリ又は
期待できない空域に出て行かなければなりません。
逆に言うと、この機体がやられたらあそこに敵がいるなと
いうような役目を背負わされています。
そのため、経空脅威を受け易い機種であるため、
XP-1の初期のM社案には、AAM-4はおろか、M61A1や
はてはJ/LAU-3を搭載した過激な案があったのですが、
実際に海外のP-3Cやニムロッドには試験的にAIM-9を
搭載した例があります。
そのため、損耗が予測される機種であり、日本が他国に
比べて多くの哨戒機を保有し、飛行艇を始めとする
長距離SAR能力を保有するのはそれへの対応で
ありましょう。

P-1が搭載レーダーにより、360度に渡る対空監視能力が
あるのであれば、敵を発見したら、その高速性をもって
スタコラサッサと逃げてくれば良いわけで、P-3Cに比べて
生残性が大幅に高まることになります。
P-1の生残性を高める方策として以下のものがあります。

  1. 高速・高高度飛行能力
  2. 全方位常時対空監視可能なレーダー HPS-106
  3. 4発による冗長性
  4. 自機防御装置 HLQ-4

4に関してはわざわざ自機防御装置と銘打っているところから
単なるミサイル警戒装置とCMDの組み合わせではなく、
レーダー、ESM,MWS等のセンサー情報を統合し、脅威判定と
最適防御手段又は回避手段の提示等を自動的に行う類の
ものでしょう。あるいはF-15に搭載されているJ/ALQ-8の
ようなICS(搭載型ECM)を備えているかもしれません。
何せHLQ-4のプライムはMELCOさんですからね。

そうなると、これだけの生残性を持ち、高速・大航続距離で
かつ搭載能力大の航空機を70機も備えるとこれは
恐ろしい話となります。
もし、P-1へASM-2D/L(データリンク)を搭載したら、AGM-65F
マーベリック(既に発注済)を搭載したら、JDAMをお腹一杯
満載したら、開発予定の泊地攻撃可能なSSMを転用した
ASMを搭載したら、、、、敵戦闘機による脅威が少ない
場所では大変な能力を発揮するでしょう。
実際にアフガン等ではP-3Cはその搭載量の大きさゆえ
重宝されているそうです。

まさに現代の96陸攻再来のインパクトがありますです。


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コメント

実際にAAM-5あたりを自衛用に搭載してくれればうれしいかなぁ。

対地攻撃用のロケット弾とかも載せてくれればかなり萌えるんだが

P-1のハープン、ASM-1Cの搭載数はP-3Cと同じく8発で良いんですかね?新型魚雷は8本載せられると聞いたのですが

投稿: | 2010年1月19日 (火) 09時43分

P-1に巡航ミサイル対処能力や、電磁波でのミサイル迎撃機能を持たせることも検討というような記事がどこかであったかと思います
、期待ですね。

P-1には、AAM-4改搭載等による対空能力
の他にも、巡航ミサイルや滑空誘導爆弾等の精密誘導兵器も装備してほしいですね。

たた、空中給油装置が欠如しています、頭にオデキ(EMS?)がありじゃまで追加装備だとアメリカ海軍式の空中給油方式しかできなさそうですね。

そうそう、メーカーの提案では、当初可変翼での提案もあったそうですね、ステルス対策もかな?(今のP-1で部分的なステルス対策はしていると思いますが・・・)
どうも、予算の問題と、爆撃機になってしまうということでボツになったそうな。
でも見てみたかったですね。

投稿: 軍事マニア | 2010年1月19日 (火) 13時26分

P-1は、那覇に優先的に配備すれば、某国への牽制になりますね。空中受油口が装備されていないのが、残念ですが、開発当初はジプチまで海自のP-3Cが派遣される事なんか、想像していなかった訳ですし、後継機もそこまでの能力を求められていなかったのでしょう。P-1には、今後は、発展型の開発に期待です。

投稿: 灰色猫 | 2010年1月20日 (水) 01時23分

一つ大事なことを忘れていました。こいつの機雷搭載量及びその敷設能力。これは周辺諸国にとって脅威以外の何者でもありません。

投稿: keenedge | 2010年1月25日 (月) 00時32分

P-1の恵まれている点は
開発時に大きな問題が発生せず騒音もP-3Cよりも低く
哨戒機という一般には地味な機体である為大きな報道もされず
世界どころか日本国内でも注目されていない事ですね
これ程の機体がノーマークなのはありがたい事です

注目しているのは日本国内の軍ヲタと技術者だけな感じはします

投稿: | 2010年1月25日 (月) 14時30分

>意味が分かる人向け。。。。

おお・・遂に英国面に突入ですか・・・

投稿: | 2010年1月29日 (金) 05時48分

カモノハシの後脚には毒を分泌する爪(針)があるそうですが.....

投稿: 匿名希望 | 2010年2月 1日 (月) 19時02分

カモノハシ…
なるほど、着水したり水中を移動できたり、時々卵を生んで増えるんですね(冗談です)
これからどんな派生型が造られるのか楽しみです。

投稿: イディーカムニェー | 2010年2月 8日 (月) 04時32分

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