« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月28日 (日)

TK-Xであります。

久方ぶりに小牧の某社へ一泊で出張。
ATD-XのRCS実物大模型は既にハンガーにはありませんでした。
ハンガーにはLR-1やMH-53E、T-400など一杯で繁盛ですな。
新設されたF-15近代化用ハンガーはアクセス権を持つ社員で
なければ入れないそうです。
隣接した小牧基地からは、KC-767が頻繁に離着陸してました。

ところで、今週はなぜかTK-Xの話を聞く機会が何回かありました。
量産型では試作型のものから、幾つかの設計変更が行われた
模様。一例を挙げれば、表示系のCPUはVMEのシングルボード
CPUがより小型で信頼性が高いものに変えられたとのこと。
TK-Xの主砲の反動はすさまじいらしく、依然使っていたVMEの
ボードの部品がショックで飛んでしまったとの話も。。
TK-Xの主砲弾を90式で使用することは禁止されているとのこと
ですが(つまりTK-Xと90式の120ミリ砲弾は互いに流用できない)、
これはTK-X用砲弾がバリバリのフルロード弾だからでしょう。
つまり、TK-Xの主砲は90式が撃てないような高い腔内圧力
に耐えられる。
44口径で55口径と同じ威力を発揮するという秘密は
この辺にあるのでしょう。

TK-Xの外観上の特徴として、多くの光学系の窓が見受けられる
ことが挙げられる。これらは恐らく外部監視用のCCDカメラの類
でしょう。乗員には幾つかのモニターが設置されてますので、
外部の監視系を自由に切り替えることができるのでしょう。
また、90式では各々の乗員しか見れなかった情報が、全ての
乗員が同時に見ることができたり、他の乗員が自由に選択
して表示できたりするのでしょう。例えば、今まではドライバー
しか見れなかった走行系や故障部位の情報を車長や砲手が
見れたりとか、砲手しか見れなかった照準の画像情報を他の
乗員が見れたりできると思われます。

TK-Xでは、自車位置の提供だけでなく、自車が得た情報を
データリンクできると言われています。こうなると海の
CEC(Cooperative Engagement Capability)に近いですが、
どのような形で通信しているのか興味があります。
画像情報を扱っていることから車内の通信系は1553では
ない高速な通信系が使われているという話があります。
先日聞いた話では、車外のデータリンク系では1553が使われて
いるとの話があって、この辺はN社さんがご担当されている
ようです。

こうして断片的な情報を聞きかじってみると、TK-Xは我々が
考えていた内容よりも遥かに先進的な内容を持った意欲作
であるという印象を受けます。

| | コメント (9)

2010年2月13日 (土)

TACOMであります。

ここ数日間、体調を崩してしまい臥せっておりましたbearing

そのせいかどうか分かりませんが、硫黄島空域で試験中の
TACOM(多用途小型無人機が、エンジンの不時停止で
落っこちたようです。

UAVは落っこちてナンボってところがありますから、この
失敗を次に生かして欲しいと思うところであります。

あの機体はテレダインのエンジンを積んでいたころから
エンジンには泣かされていたようですから、関係者の心中を
お察し申し上げます。
さて、このTACOMですが元々は空自が独自研究していた
ターゲットドローン(J/AQM-1)の偵察型と陸自が運用して
いるチャカR(BQM-74偵察型)の後継を統合して開発が
始まったという経緯を持ちます。

部研が始まったのは平成6年ですから、大分前の話です。
勿論、偵察だけではなくペイロードの交換又は小改修により
様々な任務へ対応することが想定されていました。

開発当初の主な目標性能は以下のとおりです。

  1. 飛行性能: 高速領域において高い航続性能を有すること。
  2. 飛行方式: 地上からの誘導飛行及びプリプログラム。
  3. 発信方式: 戦闘機クラスの航空機からの空中発進及び地上発進。
  4. データ伝送機能: 即時性、保全性、対妨害性を有すること。
  5. 航法機能: 自立航法が可能であること。
  6. 制御機能: 目標画像等の継続的な補足・追尾が努めて可能であること。
  7. 回収方式: 地上及び海上において努めて高精度に回収ができること。
  8. ステルス性能: レーダー有効反射面積が努めて小さいこと。
  9. 偵察機能: 昼夜間の偵察が可能であること。
  10. 整備性: 部隊の展開、無人機の回収後の再発進が短時間でできること。
  11. 発展性: ペイロードの交換及び機体の小改修により各種用途に転用可能なこと。

以上で目に付くのは、地上部隊が運用できるための要求が
入っていることです。当初、TACOMの回収方法はパラシュートと
エアバッグによる垂直落下方式でしたが、現行は滑走路への
着陸に変わっています。これは要求が変わったのか、
エアバッグ+パラシュートによる回収方式が難しいのか
(試験ではエアバッグが開かず、機体を損傷した事故が
あったやに記憶しています)、何らかの事情があったのかも
しれません。

そして用途としては以下の項目が挙げられていました。

  • 偵察
  • 電子戦
  • 対レーダ攻撃
  • フライングテストベット
  • 標的
  • おとり

さらにもう一つ、この機体から多数の小型爆弾を放出する
スタンドオフ・ディスペンサ型が構想されていたことも忘れては
ならないでしょう。これは例のUS-1A改事案でポシャリ
ましたが。

TACOMに関する考察は次回に行います。

| | コメント (3)

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »