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2011年12月31日 (土)

F-X決まるであります。

ご無沙汰です。

F-Xが正式に決まりましたね。
これには、色々な感慨があります。防A省にはまともな戦略眼
を持った人間はいないのかとか、やっぱこうならざるを得ない
だろうなとか、搭載武器はどうするのかとか。

F-35に決まったことで、様々な影響があります。よく言われる
ように国内航空機産業に対する影響とかですね。
あと、余り表立って語られていないのですがSARエリアの拡大
が必須となるという影響があります。
これはF-35が単発機であるからです。F-104以降、航空事業部
は双発機を基本としてきました。実は世間で考えられているほど
手間が掛かる割に双発機のアドバンテージというのは少ないの
ですが、双発機が有利な点は、片方のエンジンが止まっても、
自軍のエリアまである程度は飛行を継続できる(=必ずしも安全に
基地に着陸できるとは限らない)というのがあります。

F-2は単発機だったではないかとの突っ込みが聞こえてきそう
ですが、F-2はFIではありません。F-2の要求は、某基地より
発進し、某海峡で某国艦船を攻撃し、某基地より奥まった別の
某基地へ向かい、その上空で何分か待機した後に着陸し、
また装備と燃料を整えて発進するというのが基本です。
このような任務においては、ターンアラウンド時間の短さ、
整備性の良さ、運用経費の低減、ライフサイクルコストの低減
取得価格の低減といったことがより要求されます。
また、FSの場合は自軍から遠く離れた空域に長時間留まる
といったことは余り要求されません。
したがって、単発の方がより有利となります。(結構、苦しい
説明ですが(;´д`)トホホ…)

FIの場合は、特に近年は基地からできるだけ遠くに進出して
長時間滞空することが要求されます。
これはSAMの発達のため、短距離のエリア防空はSAMに任せ、
FIはできるだけより遠くで敵機を阻止することが求められている
からです。そのため、FIはできるだけ双発である必要があります。
それは、片方のエンジンが止まっても、片方のエンジンで自軍の
エリアまで何とか戻れる可能性があるからです。

(まぁ、双発の理由はそれだけではないのですが。)

FIが単発であるということは、自軍のSAR(捜索救難)エリアを
大幅に拡大しなくてはなりません。
Pが自軍より遠く離れたところに脱出する可能性もあることから、
戦闘捜索救難も考えねばなりません。航空事業部は、
UH-60Jに機関銃を搭載したりU-125へCMDやMAWSを搭載する
等の施策を行ってきましたが、さらに強力な施策や機材を
投入せねばならないということになります。
例えばHV-22B(CV-22B)の導入といったことを考慮する必要が
出てくるでしょう。
(さらに、戦闘捜索救難能力の拡充は特殊部隊の支援任務
とかなり重なることから、それらの任務も課される可能性
も出てきます。)

もう一つは、F-35がステルス性をもつ攻撃機であることです。
浅学にして、F-35がどの程度の航続距離を持つのか確認
していないのですが、タンカーとの組み合わせはピ○ン○ン、
ソ○ル、下手をするとウ○ジオ○トック、上○、北○とか。
従って、周辺諸国はそれに対抗する手段を急遽備える
必要が出てきます。(これは政治的意思や体制は関係なく、
純粋に軍事的要求です。)
これは、警戒管制システムや迎撃手段に対して莫大なコスト
を投入する必要があります。それは、限られたリソースを
消費させ、攻撃側(日本へ志向される)へのリソースを低減させ
廻り回って日本への脅威を低減させられるかもしれません。

その他、色々あるのですが、それは追々述べていきます。

さて、今年一年お世話になりました。今年は世間的にも
自分的にも色々ありましたが、来年が皆様にとって
良いお年になりように祈念しております。
このBLOGは今回で閉鎖して、近いうちに本店を含めて
WIKI化したいと思っております。それでは良いお年を。

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